さとうきびについて

さとうきび畑

うちなーんちゅの思い

青空の下、畑一面に広がるさとうきびが風に吹かれて「ざわわ・・・」と音を立てて風になびく風景は、沖縄を感じるひとつ。1月から3月頃がさとうきび収穫の最盛期となります。この時期には親せきや家族総出で鎌(カマ)で刈り取りを行う光景も見られ、沖縄では三世代同居する家も少なくない中、いつもよりもさらに家族の結束する時期でもあります。収穫作業は重労働ですが、さとうきびのおかげで家族兄弟が仲良くなると言っても過言ではありません。さとうきびを山積みしたトラックが島中を行き交うため、道路に落ちたさとうきびが多くみられてくるので「さとうきび収穫時期」を知らせるサインにもなっています。今はさとうきび栽培をしていない「うちなーんちゅ(沖縄のひと)」にとってはさとうきび刈りを手伝った小さいころ思い出し暖かい気持ちにさせてくれます。

さとうきびの歴史

さとうきびは、インドでは紀元前2000年以上前から栽培され、砂糖を作っていたと言われています。日本に初めて渡来したのは、奈良時代の754年に僧・鑑真が中国からもたらしたとされていますが、薬としての目的だったそうです。今では沖縄の基幹作物となり、「沖縄=さとうきび」のイメージが定着しています。台風で倒されてもそこからまた太陽へ向かって伸び始める力強い作物です。1年から1年半の期間をかけて農家の方々に大切に育てられ、成長すると2~3メートルほどの高さに育ちます。太陽の光をたくさん浴びてすくすく育ったさとうきびは、糖分をたっぷり溜め込んで、砂糖の原料になっています。また、さとうきびは、光合成を行う力が非常に高く、地球温暖化の要因といわれる空気中の二酸化炭素を多く吸収するので、地球環境対策にも有効な作物といわれています。

さとうきびバガスについて

砂糖を作るために搾った後のさとうきびをバガスと言います。英語のBagasseから来ていて、沖縄以外の方には聞きなれない言葉だと思いますが、 沖縄育ちの人なら「あぁ~あれね!」とすぐにピンとくる単語です。

ところで、製糖工場で原料糖(不純物を取り除く前の糖)を搾った後に出る副産物のバガスはどうなるかご存知ですか?捨てている?いいえ違います。実は、約90%が製糖工場のボイラー燃料として活用されています。一見、燃やすと二酸化炭素が発生すると思いますが、さとうきびは生育する時に光合成によって大気中の二酸化炭素を吸収するため、燃やしてもカーボンニュートラル(大気中の二酸化炭素の量はプラスマイナスで変らない)だと考えられ、エネルギー源としては環境には優しいのです。ここで、私たちは考えました。もし、バガスを燃やさずに他の用途に使うことができれば、結果として大気中の二酸化炭素を減らすこともできるのではないかと。そこで、食物繊維成分が豊富であることに注目し、瞬間乾燥化技術と微粉砕化技術を組み合わせた製造技術を確立することで、機能性食品原料として活用することに成功しました。そのため、さとうきび食物繊維パウダーを食べれば食べるほど、ほんのわずかではありますが、大気中の二酸化炭素を減らすことができるんです。ちなみに残りの約10%は畑のたい肥として活用されています。